ポリマーセメント系防水は、エマルション樹脂とセメント系のパウダーからできている塗装タイプの防水材です。水性塗料であるため臭いが少ないのが特徴。溶剤も使用していないため、施工中に有害な物質の発生や火気使用時の危険性も少ないです。
ポリマーセメント系防水は2つの工法に対応しています。密着工法は、下地に直接塗料を塗る工法です。手軽に施工できますが、下地に水分が多いと塗膜に膨張が起きる可能性があります。この場合は、通気性のあるシートを下地と塗料の間に挟む通気緩衝工法によって施工が行われます。
ポリマーセメント系防水は防水だけでなく、下地調整に使用ができるのも特徴です。例えば、劣化でボロボロになったコンクリートの下地にポリマーセメント系防水を塗り、その上からウレタン塗膜防水を重ね塗りすることで、表面をきれいに仕上げることができます。
ポリマーセメント系防水の特性を活かせるのが、屋根などの勾配のある場所です。セメント系のパウダーが配合されていることで液だれがしづらく、表面をきれいに仕上げることができます。また、液状の防水材であるため、シート防水では対応が難しい配管や設備が設置されているような場所の施工にも向いています。
ポリマーセメント系防水は水性塗料のため、臭いが気になる場所でも使用できます。シンナーなど溶剤も使用しないため、作業中の安全性が向上するのはもちろん、環境に配慮できるのもメリットです。また、下地に多少水分が含まれていても使用できるため、さまざまな状態の下地に幅広く使用することができます。
伸縮性に乏しいのがデメリットの一つです。下地にひび割れが生じた際に追従できず、塗膜にひびが生じる可能性があります。また、水性であるため、有機溶剤を使用した防水塗料と比べると乾燥に若干時間がかかるのもデメリット。廊下など人の往来が多い場所では、乾燥するまで人の出入りを規制しなくてはならないでしょう。
ポリマーセメント系防水は、水性塗料を使用した防水工法で、臭いが少ないのが特徴です。勾配のある屋根や複雑な形状の場所に適し、下地調整にも利用可能。水分を含んだ下地にも施工でき、環境にも優れた防水方法です。
このメディアでは、その他にも防水工事に関する基礎情報をわかりやすく紹介しています。
防水工事にはさまざまな種類があるので、施工場所に適した防水材や工法を選ぶことが重要です。特に、非住宅向けの防水工事では、施工場所ごとに適した業者を選ぶことで、耐久性が高く、コストバランスの良い工事が実現できます。
防水の種類や特徴を理解したうえで適切な業者を選びたい方は、以下のページもぜひチェックしてください。
田島ルーフィングは1919年の創業以来、多種多様な防水材の製造・販売を手がける企業です。ポリマーセメント系では「TLコート」という製品を販売。配合を調整することで、ベランダ、バルコニー、廊下、外階段、窓枠、受水槽など幅広い場所の施工に対応できます。
防水材から下地補修材、仕上げ材まで幅広い建築資材を取り扱うシーカ・ジャパン。同社ではさまざまな材料・仕様に対応した「ダイナテックス」をラインナップしています。さらに、下地処理向けのポリマーセメント系「Dシリーズ」という製品も提供しています。
本メディアでは、防水工事が求められる非住宅を『工業施設』『公共施設』『インフラ設備』の3つに分類し、それぞれの施工場所に適した防水工事ができる業者を厳選して紹介します。