防水工事の耐用年数は、一般的に広く使われる法定耐用年数とは若干ニュアンスが異なります。ここでは、防水工事の耐用年数の意味合いや、材料ごとの耐久年数についてまとめました。さらに、メンテナンスのタイミングについてもご紹介します。
法定耐用年数とは、固定資産として使用できる法律上の年数のことです。事業用の固定資産に適用され、国税庁により資産の種類ごとに定められています。防水工事の内容が資本的支出に該当する場合は、防水工事費を減価償却によって処理する必要があります。
なお、防水工事の施工で多い屋根については、法定耐用年数が設定されていません。一般的には建物の一部として扱われるため、建物の法定耐用年数が適用されます。
防水工事の耐用年数とは、法定耐用年数のことではなく、期待耐用年数を指すのが一般的です。期待耐用年数とは、防水や塗料などの性能が維持される目安の期間を指します。
一般的に、屋根や外壁などの防水工事の耐用年数は10~15年程度とされていますが、具体的な耐用年数は防水工事の内容や使用する資材によって変わってきます。したがって、防水工事の耐用年数を算出する際には、工事の種類や使用する資材を十分に考慮した上で判断することが必要です。
耐用年数と耐久年数は、言葉が似ていますが意味が異なります。耐用年数は、税法上で定められた減価償却を行う期間で、法律に基づいています。一方、耐久年数は、メーカーが設定した製品や建物の使用可能な期間です。このため、耐用年数と耐久年数は、年数を定める元が異なります。
ただし、防水工事の場合は先にも述べた通り期待耐用年数で表示されることが多いため、どちらかというと耐久年数にニュアンスが近いと言えるでしょう。
ウレタン防水の耐久年数は約8~12年です。耐久年数を過ぎると、表面にひび割れや剥がれといったダメージが表れます。ウレタン防水では、液状の塗料を使って施工を行うため、複雑な形状の場所にも施工することが可能です。
シート防水の耐久年数は約10~15年です。耐久年数を迎えて劣化すると、シートの継ぎ目から剥がれなどの症状が出始めます。シート防水は、シートを接着剤で貼り付けるため、ムラなく均一に仕上げられるといった特徴があります。
アスファルト防水の耐久年数は約15~25年です。アスファルトと特殊なシートを使用するため耐久性の高い防水層が形成できます。他の材料と比べて耐久年数も長いことから、ビルの屋上などで多く採用される材料の一つです。
ドレンとは水を流す排水溝のことです。ドレンにゴミや汚れがたまると水が排出されにくくなり、防水層を痛めてしまいます。そのまま放置すると、雨漏りを引き起こしかねないため、3か月に一度はドレンの清掃を行いましょう。
トップコートとは、防水層を保護する上塗り材のことで、5年おきに塗り直すのが望ましいです。トップコートを塗り直すことで、紫外線による劣化を防ぐことができるでしょう。なお、トップコートの費用相場は、1㎡あたり1,500~2,500円ほどです。
防水した箇所は自分で点検する機会も少ないため、劣化のサインを見逃しがちです。劣化のサインに気づかずにいると、防水性が低下し、建物への漏水被害をもたらしてしまいます。そのため、10年に一度は定期点検を実施しましょう。
防水工事の場合の耐用年数とは、一般的に期待耐用年数のことを指しており、年数の長さは使用する材料によって異なります。そのため、実施する防水工事で使用する材料についても、事前に把握しておくことが必要でしょう。
また、四角形や複雑形状など施工する場所の形や、太陽光パネルや給水タンクなどの設備の有無など、施工箇所の状況に合わせて材料を選ばなくてはいけません。そのため、施工箇所に適した防水工事や材料を提案できる業者を選ぶことが大切です。
工場や施設などの非住宅向け防水工事は、施工場所に適した業者を選ぶことが大切です。施工場所によって適切な工法や防水材が異なるため、業者の特徴や得意な分野を確認したうえで選びましょう。
当メディアでは、「工場や物流倉庫などの工業施設」「学校や共用スペースなどの公共施設」「橋梁や道路などのインフラ設備」の3つに非住宅を分類し、それぞれおすすめの防水工事業者を紹介しています。
本メディアでは、防水工事が求められる非住宅を『工業施設』『公共施設』『インフラ設備』の3つに分類し、それぞれの施工場所に適した防水工事ができる業者を厳選して紹介します。