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塩化ビニール系防水

目次
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塩化ビニール系防水の特徴

耐水性と耐久性を兼ね備えた
防水シートを使用

塩化ビニール系防水は、耐水性の高い塩化ビニル樹脂を原料とするシート状の防水材を使った施工です。つなぎ目を熱融着または溶剤溶着によって接合し、一枚の大きなシートのように一体化させることができます。耐用年数は10~15年ほど(※)で、高い耐久性を備えているのも特徴です。

※参照元:株式会社ミヤケン公式HP(https://www.m-kensou.com/column/gaihekitosou/20230304rr/)

強風による影響を抑える
「密着工法(接着工法)」

塩化ビニール系防水には、主に2つの工法があります。その一つが密着工法で、下地に直接シートを貼り付ける方法です。下地全面に接着剤を塗布して貼り付けるため、強風にも耐えることができます。ただし、水分を含んだ下地では劣化の恐れがあるため、新築に対して採用されることが多いです。

下地の種類を問わず施工できる
「機械的固定工法」

もう一つは機械的固定工法で、シートをビスやディスクで機械的に固定させる方法です。下地の種類や状態を問わず施工できるため、改修工事に向いています。ただし、固定に必要な強度が下地に求められるため、脆弱な下地の場合には施工できない場合があります。

塩化ビニール系防水の
施工が向いている場所

面積が広く平らな屋根の
施工に向いている

塩化ビニール系防水は一度に広範囲を施工できるため、面積の広い場所に向いています。そのため、ビルやマンションの屋上で多く採用されています。ただし、防水材がシート状のため、複雑な形状をもつ場所の施工には向いていません。陸屋根のようなフラットな形状をもつ屋根であれば施工することが可能です。

塩化ビニール系防水の
メリット・デメリット

短工期かつ低コストで施工できる

シート状の防水材を使用するため、表面の厚みを均等にすることができます。これにより、塗料のようなムラが出ず、きれいに仕上げられるのがメリットです。また、シートを敷くだけなので工数が少なく、短工期で施工できるのもポイント。機械的固定工法であれば下地の影響を受けないため既存の防水層を撤去せずに施工でき、さらにコストを抑えることもできます。

施工中に騒音や振動が生じる

塩化ビニール系防水は、下地にシートを貼る際につなぎ目が出るため、上手く接合処理されないと浸水する恐れがあります。施工者の技術力によって仕上がりに差が出る点がデメリットと言えるでしょう。また、機械的固定工法の場合、固定具を取りつける際に騒音と振動が生じます。集合住宅で施工する際は、住人への事前説明も必要となるでしょう。

塩化ビニール系防水のまとめ

塩化ビニール系防水は、耐水性と耐久性に優れた防水シートを用いる工法で、広い面積の施工に適しています。主に、密着工法や機械的固定工法などがあり、短工期かつ均一な仕上がりが特徴です。ビルやマンションの屋上などで広く採用されています。

非住宅向けの防水工事を業者に依頼するなら…

このメディアでは、その他にも防水工事に関する基礎情報をわかりやすく紹介しています。

防水工事にはさまざまな種類があるので、施工場所に適した防水材や工法を選ぶことが重要です。特に、非住宅向けの防水工事では、施工場所ごとに適した業者を選ぶことで、耐久性が高く、コストバランスの良い工事が実現できます。

防水の種類や特徴を理解したうえで適切な業者を選びたい方は、以下のページもぜひチェックしてください。

塩化ビニール系防水に
対応している企業例

三ツ星ベルト

三ツ星ベルトは1919年の創業以来、産業用ベルトを中心に防水材やプラスチックなど幅広く製品を取り扱うメーカーです。機械的固定工法をはじめさまざまなシート防水の工法に対応しており、塩化ビニールやゴムなどシート防水材の種類も豊富に取り扱っています。

マルホウ

マルホウは、名古屋に本社を構える防水・環境関連事業を手がける企業。全国に拠点を構えて幅広くサービス提供を行っています。塩化ビニール系防水をはじめ、さまざまな防水工事の種類に対応。現地確認した上で、建造物に応じた工法の提案を行っています。

田島ルーフィング

田島ルーフィングは、防水材の国内大手のメーカーです。シンプルかつ短工期を実現した屋上用の塩化ビニール防水「ビュートップ」をラインナップ。カラーバリエーションが豊富で、防水に加えて断熱やソーラー基礎などプラスアルファの性能を追加できるのが魅力です。

シーカ・ジャパン

防水材や外装材、シーリング材など建材のトータルソリューションを提供するシーカ・ジャパン。半世紀以上にわたってシート防水の開発を手がけており、同社の厳しい耐風圧テストをクリアした塩化ビニール系防水「シーカプラン」を製造・販売しています。

NITTOH

NITTOHは、30年以上にわたって防水事業を手がけており、長年蓄積してきた施工力とノウハウが強みです。また、自社施工により品質管理を徹底しているのも特徴。長期的に安定した品質を維持できるよう、塩化ビニール系防水をはじめ各種防水工事に保証制度を設定しています。

【施工場所別】
おすすめの防水工事業者3選

本メディアでは、防水工事が求められる非住宅を『工業施設』『公共施設』『インフラ設備』の3つに分類し、それぞれの施工場所に適した防水工事ができる業者を厳選して紹介します。

工場や物流倉庫などの
工業施設なら
日本アクア
おすすめポイント
  • 吹付工法のポリウレア塗膜防水を採用し、工場ののこぎり屋根や物流倉庫の駐車場など凸凹のある広範囲な施工箇所にも隙間なく密着
  • わずか数秒で硬化する速乾性の高いポリウレア樹脂の特性により、短工期で施工でき、稼働や営業への影響を抑えられる
学校共用スペースなどの
公共施設なら
三ツ星ベルト
おすすめポイント
  • 凸凹の少ない場所に適したシート防水を採用し、屋上や屋根が平坦なことが多い学校や公共施設の屋根などに効率的に施工できる
  • 防水層の撤去をせずに施工できるかぶせ工法により下地の撤去費用を抑えられるため、予算が決まっている学校や公共施設向き
橋梁道路などの
インフラ設備なら
昭石化工
おすすめポイント
  • 人が行き交う橋梁や道路において床版のたわみやひび割れ、車両の衝撃・振動に対する耐久性を持つ防水技術を提供
  • 道路にも使われるアスファルトを採用しているため、温度変化に強く、膨張・収縮による床版と舗装の破損を抑制する