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非住宅S造構造の防水工事

S造(鉄骨造)建物の防水工事は、非住宅建物の耐久性・安全性・事業継続を支える重要な工事です。S造は、軽量で大空間を確保しやすく、工場・倉庫・店舗・事務所など幅広い用途で採用されていますが、鉄骨は水分に弱く、ひとたび漏水や結露が生じると、腐食や断熱性能低下、内装劣化へつながりやすい特徴があります。とくに非住宅のS造建物では、屋根や外壁、開口部、接合部などからの浸水が、設備停止や商品被害、利用者安全の低下へ直結することも少なくありません。ここでは、非住宅建物を対象に、S造建物における防水工事の重要性、特有のリスク、主な工法、失敗例までを体系的に解説します。

非住宅のS造建物で
防水工事が重要な理由

S造建物は、鉄骨フレームを主体とした構造であるため、躯体そのものが水分の影響を受けやすい性質があります。コンクリート造と比べて建物の自重を抑えやすく、施工性や設計自由度に優れる一方、屋根や外壁、サッシまわりなどの防水性能が不十分だと、雨水が比較的短期間で内部へ到達しやすい点に注意が必要です。

漏水や結露が継続すると、鉄骨部材に錆が発生し、進行すると耐久性の低下・接合部の劣化・内装材の腐朽などの問題を引き起こします。さらに、非住宅建物では空調設備、照明配線、生産機器、商品在庫などが建物内部に集約されているため、防水不良が建築部材だけでなく設備機能や事業運営へ波及しやすいのが特徴です。

また、S造建物は折板屋根や金属外装材を採用するケースも多く、熱伸縮や接合部の動きによってシーリングや固定部に負荷がかかりやすい傾向があります。そのため、S造の防水工事では、単に防水材を施工するだけでなく、構造特性に合わせた納まり設計と定期的な維持管理が不可欠です。

S造建物が抱える
主な防水リスク

屋根・外壁の接合部から漏水しやすい

S造建物では、折板屋根、金属パネル外壁、サッシ、笠木、庇など、多様な部材を接合して外皮を構成することが一般的です。そのため、部材同士の継ぎ目や取り合い部が多く、シーリングの劣化や固定部のゆるみが発生すると、雨水が侵入しやすくなります。

特に大型倉庫や工場のような大面積屋根では、わずかな不具合でも漏水範囲が広がりやすく、建物内部の広範囲に被害が及ぶ可能性があります。

鉄骨の腐食と結露リスク

S造建物では、直接的な漏水だけでなく、結露による水分付着も大きな課題です。温湿度差が大きい倉庫、食品工場、冷蔵・冷凍設備周辺などでは、屋根裏や外壁内部に結露が発生し、見えない箇所で鉄骨が腐食することがあります。

このようなケースでは、防水だけでなく断熱・換気・通気計画を含めた総合的な対策が必要です。

熱伸縮による防水層やシーリングの劣化

金属屋根や金属外壁は、日射や外気温の影響で伸縮しやすく、接合部やシーリング材に繰り返し負荷がかかります。その結果、ひび割れや剥離、隙間の発生につながり、雨水侵入の原因となります。

S造では、こうした材料特性を踏まえたうえで、追従性の高い材料選定と納まり設計が重要です。

S造建物で防水工事が必要となる
代表的な非住宅施設

工場・製造施設

工場では、大空間を確保しやすいS造が多く採用されています。屋根からの漏水や結露が発生すると、生産設備や制御盤、製品、原材料へ影響しやすく、操業停止や品質低下につながる恐れがあります。特に洗浄区画や蒸気が発生するエリアでは、結露対策も含めた防水計画が欠かせません。

物流倉庫・配送センター

物流施設では、建物面積が大きく、屋根や外壁の防水不良が広範囲に影響しやすい特徴があります。漏水が商品や梱包材に及ぶと、在庫ロスや納品遅延につながる可能性があります。高所での点検が難しいケースも多いため、予防保全型の防水改修が重要です。

店舗・商業施設

ロードサイド店舗や商業施設でもS造は多く採用されています。漏水が売場やバックヤードへ及ぶと、営業への影響や顧客満足度の低下につながります。外観の意匠性も重要であるため、防水性能だけでなく美観維持を意識した工法選定が求められます。

事務所・オフィス・簡易倉庫

中小規模の事務所建物や簡易倉庫でもS造は一般的です。屋根・外壁・開口部の防水が不十分だと、天井シミや内装材の膨れ、OA機器への影響が生じることがあります。比較的小規模な建物でも、漏水被害は業務継続に大きく関わります。

S造建物に対応する
主な防水工法と特徴

折板屋根のシーリング・部分補修

S造建物で多く採用される折板屋根では、ボルトまわり、重ね部、端部、水上・水下まわりが弱点になりやすい傾向があります。劣化したシーリング材の打替えや部分補修により、初期段階の漏水リスクを抑えることが可能です。

ただし、原因調査を十分に行わず補修範囲を限定すると、別箇所から再発することもあるため、全体状態の把握が重要です。

屋根カバー工法

既存屋根を撤去せず、その上から新たな屋根材や防水層を施工するカバー工法は、工場や倉庫など稼働を止めにくいS造建物で採用されることがあります。廃材が少なく、工期短縮や操業への影響軽減が期待できます。

一方で、既存下地の健全性確認や結露対策、荷重条件の確認を怠ると、後々不具合につながる恐れがあります。

金属屋根用塗膜防水・保護塗装

金属屋根や外装面に対して、防水性能や防食性能を付与する塗膜系の工法が用いられることがあります。継ぎ目や端部、細部に対応しやすく、建物条件に応じた補修計画を立てやすい点が特長です。

ただし、素地調整や錆処理が不十分だと付着不良や早期劣化を招くため、下地処理と施工条件の管理が品質を左右します。

外壁シーリング改修・外壁防水

ALCパネルや金属サイディング、各種外装パネルを用いたS造建物では、目地シーリングの改修が防水対策の基本となります。必要に応じて外壁防水塗装や透明防水材を組み合わせることで、雨水侵入のリスクを低減できます。

サッシまわりや貫通部、庇の取り合いなど、局所的な納まり不良が漏水原因になりやすいため、細部まで確認したうえで工法を選定することが重要です。

笠木・樋・ドレンまわりの改修

S造建物では、屋根面だけでなく、笠木、雨樋、谷樋、ドレンなど排水まわりの不具合が漏水原因となるケースも少なくありません。排水機能の低下や詰まり、金属部の腐食が生じると、建物内部へ水が回り込みやすくなります。

そのため、防水工事では表面の止水だけでなく、排水経路の健全性まで含めて確認する必要があります。

S造建物の防水工事で
よくある失敗例

漏水箇所だけを見て根本原因を見落とす

室内で漏れている位置と、実際の浸入口が異なることは珍しくありません。とくにS造建物では、屋根材の重ね部や外壁内部を水が伝うことがあり、表面上の漏水箇所だけを補修しても再発する可能性があります。

鉄骨の腐食状況を確認せずに防水だけ施工する

すでに内部で腐食が進行している場合、防水材を施工するだけでは十分な対策にならないことがあります。腐食部の補修や防錆処理を併せて行わなければ、耐久性の低下が進行する恐れがあります。

熱伸縮を考慮しない材料・仕様を選定する

金属部材の動きに追従しにくい材料を使用すると、ひび割れや剥離が起こりやすくなります。S造では屋根・外壁ともに熱伸縮の影響を受けやすいため、材料の性能だけでなく納まりや施工条件まで踏まえた計画が必要です。

結露対策を防水工事と切り分けてしまう

漏水と思われていた症状が、実際には内部結露であるケースもあります。防水工事だけを行っても改善しない場合があるため、断熱材の状態、換気条件、温湿度環境まで確認することが重要です。

非住宅のS造建物防水で
業者選びが重要な理由

S造は「建物の納まり理解」と「調査力」が重要

S造建物の漏水原因は、屋根・外壁・サッシ・排水・結露など複数要因が重なっていることがあります。そのため、単に防水材を提案するだけでなく、建物の構造や納まりを理解したうえで、原因を的確に絞り込める業者を選ぶことが重要です。

散水調査や目視調査、シーリング診断、腐食状況の確認など、現地診断を丁寧に行う業者であれば、無駄の少ない改修計画を立てやすくなります。

非住宅向け業者のチェックポイント

工場・倉庫・店舗などS造建物の施工実績、稼働中施設への配慮、足場や安全管理体制、雨仕舞に関する提案力、保証や点検・補修体制の有無を確認しましょう。特に非住宅では、工事中も事業活動を継続するケースが多いため、工程調整力や現場対応力も重要な判断基準です。

S造建物の防水工事を
検討するタイミングと目安

天井シミ、雨音の変化、外壁目地のひび割れ、屋根ボルトまわりの劣化、錆汁の発生、シーリングの破断、結露の増加などは、防水不良や劣化のサインです。漏水が顕在化してからでは、鉄骨腐食や断熱材交換、内装復旧まで必要となり、改修範囲とコストが大きくなりがちです。定期点検を行い、劣化が軽微な段階で計画的に改修することが、S造建物を長く安全に使うためのポイントです。

編集チームまとめ

S造建物の防水は
鉄骨を守り、事業継続を支える重要対策

S造建物は、軽量で使いやすい一方、水分や結露の影響を受けると躯体や設備へ被害が広がりやすい構造です。屋根・外壁・開口部・排水部の状態を総合的に診断し、建物特性に合った工法と仕様を選定することが、防水工事成功のカギとなります。

関連コラムや業者比較ページも活用しながら、自社施設の用途や運用条件に合ったS造建物の防水計画を進めましょう。

防水工事業者は施工場所に合わせて選ぶ!

工場や施設などの非住宅向け防水工事は、施工場所に適した業者を選ぶことが大切です。施工場所によって適切な工法や防水材が異なるため、業者の特徴や得意な分野を確認したうえで選びましょう。

当メディアでは、「工場や物流倉庫などの工業施設」「学校や共用スペースなどの公共施設」「橋梁や道路などのインフラ設備」の3つに非住宅を分類し、それぞれおすすめの防水工事業者を紹介しています。

【施工場所別】
おすすめの防水工事業者3選

本メディアでは、防水工事が求められる非住宅を『工業施設』『公共施設』『インフラ設備』の3つに分類し、それぞれの施工場所に適した防水工事ができる業者を厳選して紹介します。

工場や物流倉庫などの
工業施設なら
日本アクア
おすすめポイント
  • 吹付工法のポリウレア塗膜防水を採用し、工場の屋根や物流倉庫の駐車場など凸凹のある広範囲な施工箇所にも隙間なく密着
  • わずか数秒で硬化する速乾性の高いポリウレア樹脂の特性により、短工期で施工でき、稼働や営業への影響を抑えられる
学校共用スペースなどの
公共施設なら
三ツ星ベルト
おすすめポイント
  • 凸凹の少ない場所に適したシート防水を採用し、屋上や屋根が平坦なことが多い学校や公共施設の屋根などに効率的に施工できる
  • 防水層の撤去をせずに施工できるかぶせ工法により下地の撤去費用を抑えられるため、予算が決まっている学校や公共施設向き
橋梁道路などの
インフラ設備なら
昭石化工
おすすめポイント
  • 人が行き交う橋梁や道路において床版のたわみやひび割れ、車両の衝撃・振動に対する耐久性を持つ防水技術を提供
  • 道路にも使われるアスファルトを採用しているため、温度変化に強く、膨張・収縮による床版と舗装の破損を抑制する