FRPとはFiber Reinforced Plasticsの略で、繊維強化プラスチックのことを指します。ガラス繊維などの補強材で強化されており、防水性に加えて耐久性や耐熱性、耐候性を兼ね備えているのが特徴です。建材としてだけでなく、自動車や船舶、上下水道施設、プールなど幅広い分野で活用されています。
FRP防水の施工では、まず下地の上にプライマー、ポリエステル樹脂の順で塗布します。その上にFRPシートを敷き、さらにポリエステル樹脂を塗って硬化させて強固な防水層を形成するのが特徴です。最後に紫外線や雨風の影響から保護するために、トップコートを塗って仕上げます。
FRP防水で使用するポリエステル樹脂は硬化速度が速く、約1~2時間で塗膜が形成されるため、早ければ1日で施工することが可能です。何層に重ね塗りする場合でも、同日中に施工することができます。シートの上に樹脂を塗るため継ぎ目ができず、シームレスな仕上がりを実現できます。
FRP防水の施工が向いている場所は、開放廊下や外階段など、人の往来する頻度が高い場所です。耐久性のある防水材であるため、このほか温泉施設やプールなどでも採用されています。また、車の重量にも耐えられるため、屋上駐車場に採用するケースも多いです。車でなくても、重い荷物を置くような場所にも施工することが可能となっています。
他の防水材と比べて軽量であるため、建物への負担を抑えながら防水性能を上げられるのがメリットです。また、前述のとおり耐久性の高い素材を使用しているため、人や車が出入りするような場所でも防水性を維持することができます。塗料が硬化する速度も速いため、短い工期で施工できるのもメリットと言えるでしょう。
FRP防水は様々な点において性能が優れている分、コストがかかることがデメリットとして挙げられます。ウレタン塗膜防水やシート防水より、高めな価格設定となっています。また、伸縮性が少ないため、下地が歪みやすい場所への施工は向いていません。そのため、木造住宅や水分を含んでいる下地に施工すると、ひび割れを起こす可能性があります。
FRP防水は、耐久性・耐水性・耐候性に優れた繊維強化プラスチックを用いる防水工法で、硬化が速く短工期で施工でき、シームレスな仕上がりが特徴です。屋上駐車場や外階段など、人や車の往来が多い場所で広く採用されています。
このメディアでは、その他にも防水工事に関する基礎情報をわかりやすく紹介しています。
防水工事にはさまざまな種類があるので、施工場所に適した防水材や工法を選ぶことが重要です。特に、非住宅向けの防水工事では、施工場所ごとに適した業者を選ぶことで、耐久性が高く、コストバランスの良い工事が実現できます。
防水の種類や特徴を理解したうえで適切な業者を選びたい方は、以下のページもぜひチェックしてください。
名古屋を中心に北海道から沖縄まで全国展開で防水工事を手がけるマルホウ。さまざまな工法に対応しており、構造物に応じて防水工事を企画・提案しています。耐水性・耐食性・耐候性を兼ね備えたFRP防水で、建物はもちろんプールの防水工事にも対応が可能です。
シーカ・ジャパンは、グローバルに事業を展開するスイスの化学品メーカー「シーカ」傘下の会社です。FRPに関しては40年以上の開発実績を有しており、船舶や高架水槽など屋外のFRP成形物と同レベルの耐候性を有する「コロテクトシステム」を製造・販売しています。
愛知レジンでは、塗床工事を軸に、防水工事から塗装工事まで広く樹脂工事を手がけています。工場や公共施設、テーマパークなど施工できる施設範囲の広さも特徴。防食管理専門技術者が在籍しており、FRPを使用した防水工事に加え、防食工事にも対応しています。
カンボーは大阪に本社を構える防水・屋上緑地の施工会社です。防水は土木と建物の両方に対応しており、顧客のニーズに合わせてさまざまな工法を提案できるのが強み。FRP単体での防水だけでなく、ウレタンとの組み合わせによるFRP複合防水も提供しています。
新築・リフォーム・設備など建設事業全般を広く手がけるNITTOH。防水事業は30年以上にわたり自社施工で行っており、FRP防水をはじめ建物の種類に応じた工法を提案しています。長期にわたって品質を保証する保証制度を採用している点も見逃せません。
本メディアでは、防水工事が求められる非住宅を『工業施設』『公共施設』『インフラ設備』の3つに分類し、それぞれの施工場所に適した防水工事ができる業者を厳選して紹介します。